「バカ」「うざい」「キモい」……

我が子がそんな言葉を口にしたとき、あなたはどう感じますか?

ショックを受けたり、怒りがこみ上げたり、悲しい気持ちになったり——

でも、感情のままに叱る前に、親としてできることが実はたくさんあります。

20年以上にわたって子どもの運動指導や家庭支援に関わってきた私の経験から、「口が悪い子」への正しいアプローチをご紹介します。この記事を読むことで、叱らなくても子どもの言葉づかいが変わっていく道筋が見えてくるはずです。

なぜ子どもは口が悪くなるのか?

子どもが乱暴な言葉を使うとき、その背景には必ず“理由”があります。よくある原因は次の通りです。

1. 周囲の影響を受けている

テレビ・YouTube・SNS、そして友達の会話。子どもはあらゆる言葉に敏感で、特に「面白い」「強く見える」と感じた言葉をすぐに真似します。

2. 感情をうまく表現できない

まだ語彙が十分でない年齢では、イライラや悔しさを“強い言葉”でしか表現できないことがあります。

3. 大人の反応を楽しんでいる

わざと悪い言葉を使うことで、大人の関心を引こうとする子もいます。「その言葉はダメ」と言われることで、逆に注目されると感じてしまうのです。

叱っても逆効果になる理由

感情的に「そんな言葉使うんじゃない!」「何その言い方!」と叱っても、実は逆効果になりやすいのがこの問題の難しさです。

なぜなら、叱ることで「その言葉は特別なパワーがある」と子どもが学習してしまうから。結果として、状況をコントロールしたいときやイライラをぶつけたいときにまた使ってしまいます。

また、親の口調が荒れていたり、感情的に怒鳴るような言い方をしていると、子どもはそれを“正しい会話のスタイル”と認識してしまうのです。

叱る前に親ができる3つのこと

ここからは、子どもの「口の悪さ」を根本から改善するために、親が今すぐできることを紹介します。

1. 家庭内の言葉づかいを整える

子どもにとって、家庭は最初の「言葉の教室」です。

親が普段から穏やかな口調で話すように心がけるだけで、子どもも自然と影響を受けます。

たとえば、

「うるさいな」

→「もう少し静かにしてくれる?」

「何してんの!」

→「手伝ってくれると嬉しいな」

こんな言い換えだけでも、家庭内の空気が柔らかくなります。

2. 感情の表現方法を教える

乱暴な言葉は、未熟な感情表現の代替手段です。

だからこそ、子どもには“どう言えばいいか”を具体的に教える必要があります。

たとえば、兄弟げんかのときに「バカ!」と怒ったら…

→「○○が嫌だったんだよね。『やめて』って言うと伝わるよ」

と、言い換えのヒントを与えましょう。

これは「しつけ」ではなく「トレーニング」です。何度も繰り返すことで、子どもの語彙が増え、感情のコントロール力も育っていきます。

3. いい言葉を意識して褒める

悪い言葉をやめさせるより、「いい言葉」に注目して褒めた方が効果的です。

たとえば、

「ありがとうって言えて偉いね」

「やさしい言い方ができて素敵だったよ」

こうした声かけを続けると、子どもは“どんな言葉を使えば褒められるか”を学び、自然と丁寧な言葉づかいへと変わっていきます。

子どもの「口が悪い」を成長のチャンスに変える

子どもが乱暴な言葉を使ったとき、私たち親は「今こそ育てどきだ」と考えてみませんか?

注意したり叱ったりするのは簡単です。

でも、それだけでは根本的な解決にはなりません。

むしろ、今こそ子どもの“心の動き”に寄り添い、「伝える力」「感じる力」を育てる絶好のチャンス。

言葉は生きる力の一部です。だからこそ、大人が丁寧に教えてあげることが大切なのです。

最後に

親の関わり方が、言葉を変える

子どもの口の悪さは、「性格」ではなく「環境」で変えられます。

まずは、家庭での言葉づかいや感情の伝え方を見直すこと。

そして、叱るのではなく、導いていく姿勢を持つこと。

すぐに変わらなくても大丈夫です。

あなたのひとつひとつの言葉が、子どもの心に“やさしい言葉の種”をまいていきます。

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