■ 1. 周囲の指示が、子どもの「指示待ち脳」を作る理由
試合中に応援席やベンチから常に具体的な指示(命令)を出され続けている子どもたちの脳内では、非常に危機的な変化が起きています。
人間の脳の司令塔であり、状況を分析して決断を下す「前頭前野」という部分があります。外から「パスしろ」「走れ」と正解(指示)を先回りして与えられ続けると、子どもの脳は自ら状況を判断して決断を下すプロセスをスキップするようになります。つまり、自分で考えることを放棄し始めるのです。
結果として、プレーの最中に「自分でどうすべきか」を考えるのではなく、「今、パスを出さなかったら後でパパに怒られるかな」「監督の指示通りに動かなきゃ」と、チラチラと大人の顔色を伺いながら動く「指示待ち脳」が完成してしまいます。
スポーツの現場だけでなく、家庭でも「早く宿題やりなさい」「明日の準備はしたの?」と先回りして指示を出し続ける環境は全く同じ構造です。
大人が正解を与えすぎると、子どもは不測の事態が起きたときに自分の頭で解決策を見つけられない大人になってしまいます。