■ 1. 「勝つこと」が目標になると起きる、一番怖い罠
子どもたちに「試合で何を頑張る?」と問いかけると、「とにかく勝つこと!」「ヒットを打つこと!」という答えが返ってくることがよくあります。
しかし、勝負には必ず「相手」がいます。
相手がどれくらい強いか、当日の運や審判のジャッジがどう味方するかは、子どもたちの力では100%コントロールすることができません。
このように、自分ではコントロールできない「結果」ばかりを目標に設定してしまうと、指導者や親が一番恐れるべき現象が起きます。
それは、「自分はたいして頑張っていない(サボっている)のに、相手が勝手にミスをして勝ててしまう瞬間がある」ということです。
勝つことだけが目的になっている子は、このような時に脳が
「あ、このくらいの努力、このくらいのサボり方でも勝てるんだ」
と勘違いしてしまいます。結果として、自分自身の中にある「努力の基準」がガクッと下がってしまうのです。これこそが、子どものポテンシャルをへし折る最も怖い罠です。
逆に、どれだけ自分が死ぬ気で努力をしても、相手がプロ並みに強ければ試合には負けてしまいます。コントロールできない結果で評価された子どもは、「頑張っても意味がない」と、やる気を失い、すぐ諦めてしまう性格になっていくのです。